頼れる男や! 阪神福留孝介外野手(41)が17日、西武とのオープン戦(甲子園)の3回に2号3ランを放ち、「甲子園初勝利」に導いた。この回打者12人の猛攻で7得点。今季42歳を迎えるベテランがその中心だった。3月29日ヤクルト戦(京セラドーム)の開幕オーダーを想定した1戦で打線がつながり、得点力アップの課題克服に期待をもたせた。

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失投は逃さない。福留が高めに浮いた内角球をとらえた。舞い上がった打球は、右翼席に着弾。オープン戦2号となる3ラン。完璧なスイングに、虎党は酔い知らせた。「(本塁打は)よろしいことですね」。本番はまだ先の話だ。サラリと話して、クラブハウスへと消えた。3回に見せた打者12人、一挙7得点の猛攻。今年42歳を迎えるベテランがその中心にいた。矢野阪神を「甲子園初勝利」に導いた。

主力選手にとっては、調整段階の時期だが、福留は衰えを見せるどころか、ますます盛んだ。セ・リーグ野手最年長となる42歳シーズン。日々の準備に手を抜くことは決してない。甲子園での試合では若手よりも早く球場入り。黙々とランニングを行い、体を温めるのが日課だ。初対戦の投手が気になれば、担当スコアラーから情報を収集。試合前でも、試合中のベンチでも聞きたいことはすぐに聞く。

この日、対決した西武ドラフト1位の松本も「初顔合わせ」だったが、第1打席でも右中間二塁打を放った。2打数2安打。新人投手にプロの洗礼を浴びせた。ベテラン健在に、矢野監督も「ずっと孝介らしい、しっかりした内容の打席ができている。今日の本塁打も追い込まれてから見事な打球。ほかの打席もまったく問題なし。いつ開幕してもいい感じに見える」と全幅の信頼を寄せている。

甲子園でのオープン戦3試合で2敗1分と未勝利だった。この日が開幕まで本拠地最終戦。昨年は大きく負け越した地元で嫌なイメージを引きずりたくなかった。そういう意味では大きな1勝だ。指揮官は「形としては開幕に近づいた形」と開幕戦を想定したオーダーを組んだことを示唆した。木浪&近本の新人1、2番コンビが先陣を切り、主軸につなぐ。福留がポイントゲッターぶりを発揮する場面は何度も見られそうだ。【真柴健】