6回ノーヒッターだ。広島クリス・ジョンソン投手(34)が17日、オリックス戦に先発して6回を投げ、四球を1つ出しただけの無安打無得点に抑えた。

昨年の先発24試合はすべて石原とバッテリーを組んだが、会沢との今季2度目のコンビでまた無失点。前回12日の日本ハム戦は2回7安打6失点と炎上しており、修正力も見せつけた。大瀬良と並ぶもう1本の柱としてチームを引っ張っていく。

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ジョンソンは、つけ入る隙を見せなかった。初回、先頭の福田をカットボールで中飛に仕留め、西浦はカーブで一ゴロ。3番頓宮は148キロの真っすぐで左飛に打ち取った。多彩な球種を思ったところに投げ分け、オリックス打線を翻弄(ほんろう)。4回に四球を1つ出しただけで、6回までスイスイと無安打を続けた。「持ち球すべてをいい制球で投げられた」と静かに振り返った。

大きな収穫があった。2日の西武戦を4回無失点に抑えた会沢とのコンビで、またも無失点に抑えた。24試合に先発した昨年は、石原以外とバッテリーを組んでいない。信頼し合える理想的な関係だったが、新たなオプションが増えたことになる。「1回しかサインに首を振らなかった。投げたい球をしっかり考えてくれた。2人のキャッチャーが自分の持ち味を引き出してくれるのは心強い」。新しい女房役を手放しでたたえた。

復活のマウンドだった。前回12日の日本ハム戦で2回6失点と大炎上。何を試しても立て直せなかった。コンビを組んだ坂倉との相性を言い訳にせず、すべての原因を自分に求めた。「基本に立ち返って、ブルペンで投球フォームを見直した」。歩幅がわずかに広がり、ボールに正しく力を伝えられていないことに気づいた。ブルペンとキャッチボールで修正。中4日で迎えたこの日は、別人に変わっていた。

緒方監督は「前回から修正して、よかったんじゃない」と信頼を口にした。佐々岡投手コーチも「しっかり修正できて、ほぼほぼ完璧だった」と話した。リーグ4連覇、そして悲願の日本一のため、ジョンソンの左腕は欠かせない。大瀬良とともに、投手陣を引っ張っていく。【村野森】