楽天が開幕戦で痛恨のアクシデントに見舞われた。西武時代の14年以来5年ぶり3度目、移籍後初となる開幕投手の大役を担った岸孝之投手(34)が、5回途中に緊急降板した。

1死からロッテ9番藤岡への2球目、この日53球目を投げたところで、自らトレーナーを呼んだ。左太もも裏を気にするしぐさを見せながらベンチ裏へ引き揚げ、そのまま交代した。

1回に加藤、4回に中村奨と2本のソロを浴びたものの、4回まで3つの見逃しを含む毎回の4三振を奪うなど、岸らしさも随所に見せていた中でのアクシデント。開幕投手を務めるはずだったエース則本昂が右肘のクリーニング手術で前半戦が絶望となっている。「ノリ(則本昂)が一番悔しいと思う。そういう気持ちも背負って、自分の投球をして、期待に応えたい」と話していただけに、チームにとっても、岸にとっても悔しすぎる降板となってしまった。

過去2度の開幕戦登板はいずれも黒星。楽天移籍初年度の17年は指名を受けていたが、インフルエンザを発症して登板はかなわなかった。開幕戦の嫌な記憶を払拭(ふっしょく)し、チームに勢いをつけるべく上がったマウンドで、思わぬ事態が発生した。