延長11回で競り負け、ソフトバンクが今季初めて首位から陥落した。柳田(左膝裏肉離れ)とグラシアル(左脇腹痛)の主軸2人の穴は大きかった。

2点を追う6回、今宮がチームトップとなる5号同点2ランを左翼スタンドへ。「2ボールになったので思い切って打ちにいった結果、本塁打になってよかった」。絶好調男には1発が出たが、今の打線は破壊力より機動力が頼りだ。

工藤監督も積極的に動いた。4回、7回とエンドランを仕掛け、内川、今宮が盗塁を決めた。工藤監督は「(内川の盗塁は)自分で。いい判断だった。今いる中でいろいろ作戦を使いながら。打撃コーチにも選手に伝えておいてもらっている」と話した。同点の7回1死一、三塁では甲斐にスクイズを命じた。失敗したが泥臭く1点を奪いにいった。

あと1点が奪えず、延長11回に日本ハム王柏融に決勝の右前適時打を浴びた。4時間7分の長時間試合での敗退。前日9日も雨が降り続く長崎で4時間15分を戦い、延長10回表降雨コールドで引き分け。バスでヤフオクドームに戻ってきたのは深夜1時。それでも選手たちは懸命にプレーした。

今季11試合で延長は5試合目。この日はモイネロを休ませるなど、中継ぎ陣の疲労も気がかりだ。工藤監督が「柳田とグラシアルがいない中で、(勝率)5割以上で戦えたらいい」と話すように、我慢の戦いが続く。【石橋隆雄】