仙台6大学野球リーグが13日に開幕する。3季連続リーグ優勝と全日本大学選手権連覇に挑む東北福祉大(宮城)のエース右腕・津森宥紀(4年=和歌山東)は12日、人工芝に生まれ変わったリーグ本拠地の東北福祉大野球場で最終調整。マウンドの感触を確かめながら約40球を投じ、ドラフト候補として「全勝」と「無失点」を誓った。また、南東北大学リーグも福島・いわきグリーンスタジアムで同日開幕。北東北リーグは20日に秋田・さきがけ八橋球場で開幕する。

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津森から湯気が立ち上がる。雪のうっすら残る新球場で、最速149キロに迫る直球の連続。昨季まで土だった球場は、大学野球の聖地・神宮球場と同じ人工芝に張り替えられた。4月5日に使用開始したばかりで、マウンドで投げるのは2度目。岩崎魁人捕手(4年=九州国際大付)や山野太一投手(3年=高川学園)らを引き連れて最終試投を終え「球場の雰囲気や、マウンドの高さは良い。もう少し硬ければもっと良いですね」。この日も球場担当者と話をしながら、プレートの高さの微調整を要求するなど、万全の態勢を整えた。

エースの自覚にも満ちていた。「去年までは先輩たちに頼れる部分もあったけれど、今年は自分が結果でも内容でも引っ張らないといけない。まずは春。負けたら意味がないので全部勝つ。1点も取られないつもりで投げます」。1年秋に大学日本代表候補に初選出され、2年生以降は2年連続で代表入りして好投を披露。昨年のリーグ戦は春夏連覇。春の全日本大学選手権は14年ぶり3度目の頂点に導いたが、秋の明治神宮大会東北地区代表決定戦で、東日本国際大(南東北・福島)に敗れた悔しさも晴らす。

13日の開幕カードは宮城教育大と対戦。「自分たち4年生にとっては最後の春。初戦から自分の持っているものはすべて出したい」とチームを勢いづけるつもりだ。今秋のドラフト上位指名に向けても、強さを誇示する。【鎌田直秀】