故障者続出のソフトバンクが、最下位ロッテ相手に今季初の3連敗を喫した。前日17日に右手甲に死球を受けた上林誠知外野手は5番で強行出場したが、4打数無安打。ズボンのチャックを上げるだけで痛みが出るほど腫れていた。

「休む選択肢もあったが、そう言っていられる状況じゃない。逃げたくなかった。痛くてもやろうと思った」

グリップエンドに小指をかけられず、バットにテーピングを巻いて打席に立ったが、思うようなスイングができなかった。第4打席は痛みを押して通常通りにバットを握ったが二ゴロに倒れた。

2試合連続完封負けしていた打線は、2回に釜元の適時打で23イニングぶりに得点を挙げたが、2点しか奪えなかった。心配してか、この日急きょZOZOマリンに姿を見せた王球団会長は「打線が湿っているな。(故障者が多いのは)織り込み済みだよ。できるものが頑張らないとね。若手にとってはいい経験。思い切ってやってほしい」と、懸命に穴を埋めようとする若手の奮闘に期待した。

中村晃、柳田、グラシアル、福田、長谷川勇と故障者が続き、外野手が足りない。この日試合前には、捕手の栗原、この日昇格したばかりの内野手の三森、同じく内野手の美間に左翼でノックを受けさせ、急造外野手の準備をするほど非常事態に陥っている。王球団会長は「まだ始まったばかり。勝負は6月だからね」と話し、工藤監督も「いいところもでてきている。さあ明日! 明日! 」と大きな声を出してバスに乗り込んだ。【石橋隆雄】