ソフトバンクは今季初先発のスアレスが2回0/3、6失点でKOされ、対西武5試合目で初黒星となった。1点リードの2回2死満塁。9番木村に中越え逆転3点三塁打を食らった。スアレスの球威や制球力から、中堅を超えることはないとベンチは判断し、中堅釜元に前進守備を指示していた。だが高めに浮いた直球をはじき返され、必死に追った釜元の頭上を打球は抜けて行った。スアレスは「制球ができなかった。高めに浮いてしまった」と悔やんだ。さらに連続適時打を浴び、一気に5点を失った。

工藤監督は「最初のゲームで力が入ってしまった」と、スアレスをかばった。今季は7人の助っ人で外国人枠4を争った。投手2、野手2となった開幕1軍枠にスアレスは入れなかった。だが黙々と2軍で結果を出し、先発左腕ミランダが左膝を痛めたことでこの日の出番がまわってきた。今季から先発に転向したばかり。首脳陣はミランダの回復ぶりを見ながらも、スアレスに再度チャンスを与える考えも残している。

腰痛のバンデンハーク、昨年の股関節手術明けのサファテは、まだ2軍での実戦登板すら見えてこない。6日に出場選手登録を抹消されたグラシアルも、抹消理由の左脇腹痛が長引いている。誰を外すかで迷っていた開幕前では、考えられない状況だ。不振が続くデスパイネは7回、右翼席へ11試合ぶりとなる2号ソロをたたき込んだ。今季初の2戦連続マルチ安打のデスパイネは「これをきっかけにしたい。まったく焦りはない」と話した。工藤監督も「逆方向に本塁打も出たし」と、状態が上がってきていることを感じている。ここ5試合で下位のロッテ、西武に1勝4敗。デスパイネの復調が、苦境のチームを救う。【石橋隆雄】