大腸がんから再起を期す阪神原口文仁捕手(27)が復帰後、初めてマスクを被った。

8回に代打で出場し、中飛。そのまま捕手として守備に就いた。4番手の石崎をリードし、ジェスチャーや声掛けで野手を盛り立てた。先頭の頓宮に安打を許し、無死一塁から続く杉本を迎えた場面では、3球目の外へのスライダーで空振りを奪うも捕逸。進塁を許してしまった。それでも後続を打ち取り、無失点に抑えた。ベンチに戻る際には選手からの出迎えに応え、スタンドからは大きな拍手が送られた。

8日に代打で実戦復帰し、9日は5番DHで出場。2打数1安打1死球で復帰後、初安打を放った。復帰3戦目で初めて守備に就き「また1歩、機会があったので、今日は守備につけたということが良かった」。1点差の緊迫した場面に「1点もやれない状況だったので、緊張してる中でもキャッチャーとしての考えというのは、久しぶりにしては意外と思い出しながらできた」と、手応えを実感。「どんどん(これから)実戦を積んでいきたいと思います」と、言葉に力を込めた。

11日からの和歌山遠征2連戦(対オリックス)にも同行し、復活に向けて着々と歩みを進める。