カープの5番は龍馬ぜよ! 広島西川龍馬内野手(24)が初回、先制&決勝の1号3ランをかっ飛ばした。ここ5試合、5番左翼で起用される中、13試合連続安打と好調ぶりを発揮。ダメ押し9号ソロを放った3番バティスタ、大黒柱の4番鈴木に続くポイントゲッターとして、存在を大きくアピールした。主軸が好調のチームは今季2度目の6連勝。首位巨人を1ゲーム差で追いかける。

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西川は上からかぶせるように、高めの141キロをたたいた。1回2死一、三塁の先制機。低い弾道で飛び出した打球が、右翼スタンドに突き刺さる。阪神先発メッセンジャーの出ばなをくじく1号3ラン。強烈な先制パンチは、終わってみれば決勝弾となっていた。「たまたまです。5番打者というより5番目の打者なんで」。控えめに、ひょうひょうと振り返った。

5月は11勝3敗1分け、勝率7割8分6厘と快進撃を続けるチームにあって、この日を含め12試合で5番を務めるのが西川だ。開幕直後は上位打線のうち1、3、5番が固まらなかった。投手陣の奮闘が勝ちにつながらず、借金は4月16日時点で8に膨らんだ。必死の打線改造が続く中、3番にバティスタが定着し、1番野間も機能し始めた。そして5番で西川が打ちだした。4番鈴木を中心とした主軸の、最後のピースが埋まりつつある。

西川は過酷な競争で自らを磨いてきた。昨季の3番センター丸が巨人にFAで移籍し、左翼の定位置を奪うことが予想された。だが、人的補償で長野が加入し、競争が激化。出場機会を増やすため、キャンプではバッテリーを除く7つの守備位置を守った。それでも最終的な狙いは左翼の定位置を確保すること。「自分は外野手だと思っている」。連日の早出で、打撃強化に取り組んできた。

緒方監督は西川について「初回の3点というのは非常にいい得点だった。プレッシャーかかるだろうけど、チャンスで勝負強いところ、結果を出していけば、ポジションをつかめる」とさらなる活躍を期待した。6回には3番バティスタに9号ソロも飛び出し、完全にイケイケムード。クリーンアップの破壊力で、広島が連勝を重ねていく。【村野森】