京セラドームの応援がZOZOマリンにも届いた!? 大阪桐蔭出身の9年目、ロッテ江村直也捕手が西武戦の4回にプロ初アーチとなる満塁弾。「どうやって打ったか、何を打ったかも正直覚えていない。時が止まっていた」というまさかの一撃で8-1の大勝に貢献。お立ち台で高校の先輩、日本ハム中田も満塁弾を放ったことを伝え聞くと「運命を感じますね」と喜んだ。

高校時代は同じ広島出身の中田にあこがれてバットを振り回し、通算17本塁打。だがプロ入り後は「レベルが違う」とコンパクトな振りに徹してきた。ところがこの日はなぜかひらめいた。「今日は振ってみようかな」。普段は拳ひとつ分短く持つが、この日は指1本分だけグリップエンドを余らせフルスイングした。

初球はタイミングが合わず空振り。ベンチで見ていた井上も「清田さんと2人で『短く持てよ』って。僕らもだまされました。誘いだったんだって(笑い)」。狙いすましたようにカウント1-1から豪快な1発を左翼席へ運んだ。それでも江村は本塁打より勝ったことがうれしいという。正捕手田村が右太もも裏の筋膜炎で抹消中で「僕にとってはチャンス。これからも捕手としてまず守りでチームの勝利に貢献したい」。定位置奪取をあらためて誓った。【千葉修宏】

◆江村直也(えむら・なおや)1992年(平4)5月6日、広島生まれ。大阪桐蔭から10年ドラフト5位でロッテ入団。プロ通算は209試合で打率1割5分5厘、1本塁打、16打点。兄は元ヤクルト投手の江村将也氏。176センチ、83キロ。右投げ右打ち