猛虎のスペシャルオーダーが不発に終わった。「日本生命セ・パ交流戦」で、阪神がソフトバンク戦7年ぶりの勝ち越しを逃した。原口文仁捕手(27)を1軍復帰後初めて一塁で先発起用。超攻撃型オーダーを組んだが、左腕大竹を攻略できず、今季6度目の完封負けを喫した。交流戦は4勝4敗1分けの五分となり、正念場の戦いは続く。

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博多の虎党から大きなため息が漏れた。9回。ソフトバンクの2番手森がマウンドに上がる。先頭近本が初球の変化球を打ち上げて一飛に倒れると、続く糸原は遊飛。最後は糸井がカーブを捉えきれず遊ゴロでゲームセットとなった。試合時間はチーム今季最短のわずか2時間26分。たった2安打で今季6度目の完封負けと、あまりにもアッサリ過ぎる敗戦だ。

育成出身の2年目左腕を攻略できなかった。先発大竹が投げる球種の50%近くを占めるチェンジアップに苦戦。ヒットは高山の2本だけ。8イニングで5度の3者凡退だった。矢野監督も「少ないチャンスを何とかモノにしたいところはあったんだけど」と、ガックリ。7回に六甲おろしが響いたのは、試合開始から1時間30分にも達していない午後7時28分。相手の術中にハマって、攻撃はあっという間に終わった。

スペシャルオーダーが空回りした。この日はマルテが外れ、代わって原口が今季初めて一塁でスタメンに入った。前日は欠場したベテラン福留も左翼で復帰。DH出場の糸井に、頼りの福留、乗ってる男原口の初そろい踏みとなる超攻撃型オーダーだったが、3人から快音は響かず。原口は「(高橋遥が)頑張っていたんで、先に点を…という思いは常にあったんですが…」と唇をかんだ。今季は先発左腕と22試合で対戦し、相手投手から見て9勝4敗、防御率2・24。前夜はベテラン和田を攻略したが、左腕アレルギーは解消されないままだ。

日本一王者との第1ラウンドは12回ドローで痛み分け。第2ラウンドは4打点を稼いだ梅野が地元で奮闘し快勝した。1勝1分けで迎えた大事な3戦目は“瞬殺”で7年ぶりの同カード勝ち越しはならず。指揮官は「もうちょっと点を取る形というのがしっかりできてくるというのがね。1年間の中ではいろいろあるんだけどね。その中でそういう形を明日から作れるようにしていければと思います」と前を向く。切り替えて14日からオリックスとの関西決戦に臨む。【桝井聡】

▼阪神は今季、相手に左腕投手を先発に立てられたのは22試合。9勝を稼がれ(4敗)、防御率2・24と好投を許している。左腕先発との対戦チーム打率は2割2分1厘で、対先発右腕の2割5分8厘、また救援投手との対戦も合わせた通算打率2割5分からも悪化している。また、交流戦での左腕先発との対戦チーム打率は1割8分3厘と、苦戦は続く。