広島が延長10回に9失点という衝撃的な展開で3連敗となり、1試合を残し4度目の交流戦最下位が確定した。

「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦で、菊池保、藤井皓の2投手が1イニングで三塁打4本、二塁打3本を浴びる大乱調。その裏3点を返したが、ダメージが大きすぎた。交流戦最下位チームがリーグ優勝した例はないが、リーグ首位巨人とは1・5ゲーム差の2位。24日のラスト交流戦、楽天戦を巻き返しのきっかけにする。

   ◇   ◇   ◇

菊池保が振り返った視線の先、大飛球が左翼フェンスに直撃した。2者が悠々とかえってくる。0-0の延長10回。2死二、三塁から飛びだした大城の2点二塁打から、悪夢の波状攻撃が始まった。さらに三塁打2本、二塁打1本を浴び、菊池保はKO。代わった藤井皓も打ち込まれ、この回だけで4三塁打、3二塁打のめった打ち。その裏3点を返したが、ダメージが大きすぎ、3連敗となった。

1試合を残し、交流戦最下位が確定した。14年以来、5年ぶり4度目の屈辱だ。交流戦最下位のチームがリーグ優勝した例はない。緒方監督は「最後、ちょっとこんな点差になってしまって…。ファンも最後まで応援してもらって、最後まで意地を見せて攻撃してくれたけど、この3連戦、本当にいい采配ができなかった」と自らを責めた。最下位確定については「そういう結果、内容」と語った。

ジェットコースターのようなシーズンを送っている。開幕直後は投・攻・守とも精彩を欠き、首位と7ゲーム差の最下位にまで落ち込んだ。そこから記録的な巻き返しで首位に躍り出て、2位とのゲーム差を「5」まで広げた。ところが交流戦で大失速。4勝12敗1分けの勝率2割5分に加え、打率2割1分9厘、57得点も12球団ワースト。防御率4・07も7位と、開幕直後の状況に逆戻りしている。

チームは24日、未消化の楽天戦に臨む。緒方監督は「明日また、移動してゲームがある。最後、勝って終われるよう全力でがんばるだけです」と言葉を絞りだした。1/3回で3失点の藤井皓は2軍落ちが決まったが、現有戦力で乗り切るしかない。屈辱の交流戦となったが、リーグ首位巨人とは1・5ゲーム差。巻き返しに向け、まずは楽天戦に全力を注ぐ。【村野森】