巨人が、大船渡・佐々木朗希投手(3年)をエンゼルス大谷翔平投手(25)の高校時代を上回る「超S級」の評価に位置づけた。

29日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を開き、今秋ドラフト指名選手をリストアップ。評価などを確認した。現状は10人ほどいるとされる1位指名候補の中で、長谷川国利スカウト部長(57)は佐々木について「確かに大谷君もすごいなと思ったけど、佐々木君の方がすごいと思う」と説明。最速163キロ右腕の徹底マークを続けていく。

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「朗希の秋」が待ち遠しい。巨人が大船渡・佐々木の揺るがない評価を確認した。約4時間に及ぶスカウト会議を終えた長谷川スカウト部長は「まだ順位付けはしていない」とした上で「(高校時代の)大谷君も見た。確かに大谷君もすごいなと思ったけど、佐々木君の方がすごいと思う」。最速163キロ右腕に対する青天井の評価を隠さなかった。

花巻東時代の大谷もチェックした同部長は、脳裏の記憶を呼び起こしながら最高の素材を比較した。24日の岩手県大会準決勝、一関工戦を直接視察。2人の剛腕を重ね合わせながら「ボールの強さが違うね。大谷君も160キロ出たけど、佐々木君の160キロは『えっ、そんなもんかな、もっと出たんじゃないの』って思った」と肌で感じた衝撃を説明。さらに「クイックもできるし、変化球のコントロールも。腕が緩まない。そういうところも、やっぱり魅力」と続けた。

佐々木はプロ志望届の提出が確実視されている。その後で解禁される面談で、佐々木本人らと直接話し、右肘の正確な状態などを確認する。徹底マークも継続し、高校日本代表として出場が濃厚となっているU18ワールドカップ(8月30日から韓国で開催)には、長谷川部長と武田チーフスカウトが現地視察することも決定している。

JFE西日本・河野竜生投手(21=鳴門)や明大・森下暢仁投手(4年=大分商)らも1位候補に入っており、指名の確定には至っていない。しかし佐々木が筆頭候補であることは明確だ。同部長は「彼(佐々木)、(星稜)奥川君、この辺の評価に関しては、高校生でも近い将来ローテーションの一角になるくらいの逸材。まずは実力優先、評価優先」と話した。10月17日のドラフト会議へ盤石の準備を整える。【為田聡史】

◆驚異の実績! 巨人の高卒ドラ1投手

右投げの本格派が球団史に大きな足跡を残している。1965年(昭40)の堀内恒夫(甲府商)が203勝。74年の定岡正二(鹿児島実)は51勝。80年代序盤には1位指名が続き、81年槙原寛己(大府)は159勝56セーブ。82年斎藤雅樹(市川口)は180勝。83年水野雄仁(池田)は39勝17セーブ。85年桑田真澄は173勝を挙げた。その後も86年木田優夫(日大明誠)が在籍7年間で50勝20セーブを挙げた。近年は大学、社会人卒の即戦力選手を指名する傾向にあり、最後の高卒ドラフト1位指名の投手は11年の松本竜也(英明)。