中日が今秋のドラフト会議で星稜(石川)・奧川恭伸投手(3年)を1位指名することが5日、有力になった。

当初1位候補は大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)と並列だったが、球団幹部は今回のドラフト戦略について「大舞台で経験を積んだ選手はプロでも力を発揮しやすい」と説明。4季連続で甲子園に出場し、昨年からU18日本代表として日の丸を背負ってきた奥川へ軸足を傾けた。

昨年は岐阜県出身の根尾昂内野手(大阪桐蔭)をドラフト1位で獲得。球団は夏の甲子園終了後に早々と1位指名を表明した。今年は早期表明こそしない見通しだが、夏の甲子園開幕を待たずに奧川の1位指名を基本方針として固めた。また、昨年のドラフト会議は与田監督の就任前だったため、別の幹部によると「今年のドラフトは首脳陣の意見も参考にする」という。

奧川は石川県出身。北陸地区は親会社の中日新聞社の販売網に含まれ、地元も意識するチームの編成方針にも合致している。同県出身では、かつてのエース小松辰雄氏(野球評論家)や16年ドラフト2位の京田らがいる。「高校四天王」で唯一甲子園で戦う奧川に対し、日本中のファンとともに中日も熱い視線を送り続ける。