矢野阪神が明日なき戦いに挑む。6日のヤクルト戦(神宮)から9連戦がスタート。クライマックス・シリーズ(CS)出場圏内となる3位広島との差は4・5ゲームで、阪神にとっては正念場となる。

指揮官はベテラン能見篤史投手(40)ら3選手を昇格させるなど6人の大幅入れ替えを断行。総力戦で真夏のロードを乗り切る。

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生き残りを懸けた9連戦が始まる。矢野監督は覚悟を決めたように言葉に力を込めた。「その先を見て戦える感じじゃないので。目の前の試合をどう戦うかのほうが大事。いるメンバーでしか戦えないので。やりくりするしかない」。一戦必勝-。目の前の試合を全力で取りに行く。

激戦を戦い抜くための大幅な選手の入れ替えも断行する。この日、前日4日広島戦で2回7失点と炎上した岩田に加え、打撃が奮わない上本、江越の出場選手登録を抹消。入れ替わる形でリフレッシュの意味も込めて2軍調整していたベテラン能見やルーキー木浪、2年目外野手の島田を登録する。合わせて6人は、7月26日の今季最多7人に次ぐ大幅入れ替えだ。

101試合を終えて借金4のリーグ4位。首位巨人を猛烈な勢いで追い上げるDeNA、広島との差が広がってきた。12球団ワーストの86失策に、8月4戦で15打数2安打と下降気味の4番大山…。負の要素が重なり波に乗れない。7月27日に巨人戦に連勝してからオセロのように勝ち負けの繰り返しなど大型連勝がないことも停滞ムードを招いている。

矢野監督はポジティブな姿勢を崩さなかった。「でも逃げることはできへんしね、俺らは。試合も9連戦で、状態がいいときに試合があれば状態が悪いときにも試合はある。でも自分たちで変えるしかないのでね。相手のミス待って試合するわけにいかない」。今がシーズンの踏ん張りどころ。総力戦で苦境を打破する。【桝井聡】