楽天ドラフト6位ルーキーの渡辺佳明内野手(22)が、2日連続で大仕事をやってのけた。

延長10回2死一塁、右翼線へプロ初のサヨナラ二塁打でオリックスに連勝。「(サヨナラ打は野球人生で)あんまり記憶にない。テレビで見ていた(水を浴びる)やつができました。いやー、気持ち良かったです!」とお立ち台でほえた。

前の打席で送りバントを失敗。バスターで併殺に倒れ、勝ち越しのチャンスをつぶした。「決めてやろう、と。一塁からかえそうと思ったら、長打。ホームランを打つくらいの気持ちでいた」。強い直球に差されず、思い切り引っ張り込むイメージでいた分、ディクソンの速いナックルカーブがバットの軌道に収まった。「上げようという意識で、いい感じに打球も上がってくれて(一塁走者の田中)和基さんが走る時間も稼げた」とうなずいた。

前日は決勝打を含む2打席連続適時打。5割を超える驚異的な得点圏打率の一方、1割5分を割る「非得点圏」打率とのコントラストを本人も気にしていた。「ネットで『得点圏以外は1割5分くらい』という記事が目に入ってしまって、それもよぎったんですけど…」と笑い「得点圏以外でも仕事ができた。チャンスメークだったり、失敗したバントだったり、そういうところも大事になってくるので」と引き締める。

「実家に送ります」という記念球を見つめつつ、余韻にも浸らない。「首位ソフトバンクに3連勝して、1つでも上にいきたい」。13日からの3連戦へ素早く気持ちを切り替える22歳が頼もしい。【亀山泰宏】