日本ハムは2018年で北海道移転15年。過去の名場面、珍場面を、当時の紙面とともに振り返ります。

<12年7月6日付>

わざと!?…だったらすごいけど。中田が珍プレーで魅せた。オリックス戦の2回1死一塁。左翼の守備位置にいた中田の前に、竹原の打球が飛んできた。左前打を処理した直後だ。人工芝にスパイクの歯が引っかかり、スッテンコロリン一回転した。「転んだ瞬間、やばいと思った」。だがしかし、すぐに起き上がると、転がる中田を見て三塁を狙っていた一塁走者・T-岡田を素早い送球で見事に刺した。

この“トリックプレー”により、中田はリーグトップの7補殺目(シーズン終了時には19補殺でダントツの補殺王となる)。「たまたまアウトになってよかった」と苦笑いしたが、転んでなければ1死一、二塁、また転んだまま進塁を許していれば1死二、三塁(もしくは一、三塁)とピンチが広がっただけに、正確なスローイングがチームを救った。

15、16、18年と一塁で3度のゴールデングラブ賞を獲得しており、栗山監督は常々「(日本で)一番うまいと思っている」と話す中田の一塁守備。だが当時は外野手、特にスローイングには定評があり、本人も外野手での同賞受賞に意欲を燃やしていた。