侍ジャパンが17日、都内で11月のプレミア12の代表メンバー28人を選考する会議を行った。腰痛を抱え、離脱中の巨人菅野智之投手(29)は招集を見送られる可能性が高く、20年の東京オリンピック(五輪)までに万全の体調を取り戻させることを優先させる方針だ。一方で巨人坂本勇ら常連組や、西武森ら新鋭も名を連ねたとみられ、最強布陣を形成する。各球団との最終調整後に正式決定し、後日発表する予定だ。

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稲葉監督を含めた代表首脳陣6人と山中強化本部長が約2時間、膝をつき合わせ、28人の侍戦士を列挙した。取材対応した山中同本部長は「勝たなきゃいけない。来年の五輪は最終目標であり、それ以前の大きな重要な大会。ベストな成績を収めるためのメンバーを選ぶ。今までのように試してみるような要素は今回は入らない」と強調した。

最強を念頭に置きつつ、近未来も考慮した。17年WBCの準決勝米国戦に先発し、国際経験豊富な菅野の出場が見送られることになりそうだ。16日に腰痛で今季3度目の出場選手登録を抹消。CSでの復帰を目指しているがどこまでコンディションが戻るか不透明だ。

山中同本部長は「優秀な投手であり、期待はしている。これからの状況をしっかり把握した中で、最終的に判断していく」と話すにとどめた。ベストの状態に戻れば、ソフトバンク千賀とともに大黒柱となる存在。東京五輪への復調を優先させることは自然な流れだ。

最終メンバー登録は10月3日。今後は各球団と最終調整を行い、正式決定する。猶予期間もあり、故障など不測の事態に備え、28人に加え、プラスアルファで数人にも追加招集の可能性を伝える。長年、代表で主力の坂本勇はパワーアップし、パ・リーグで首位打者を争う森は主要国際大会は初出場となり、稲葉ジャパンへの融合が期待される。金メダルに挑むベースの布陣になる。【広重竜太郎】

▽稲葉監督が来年7月29日に東京五輪初戦を戦う福島・あづま球場を直接視察する。28日のイースタン・リーグ楽天-日本ハム戦が球場改修後初の一戦となる。五輪前にプロ野球の実戦が行われる貴重な機会で、改修前との変化をチェックするために指揮官自ら足を運ぶ。