投げるバースだ! 西武ザック・ニール投手(30)が、88年郭泰源に並ぶ球団の外国人記録となる10連勝を飾り、チームを勝利に導いた。自己最長の8回を96球、5安打無失点で11勝目(1敗)をマーク。打者27人に対して内野ゴロが15。24アウト中、併殺を含め実に17アウトが内野ゴロと、真骨頂の投球だった。

「ゲンダ、トノサキ、タマラン!」。お立ち台に立った右腕は、好プレーを連発した遊撃手源田と、二塁手外崎に感謝した。「自分はゴロを打たせる投手。本当に素晴らしい内野陣で心強いよ」。練習では源田からもらったグラブを使用するほど信頼は厚い。名二塁手だった辻監督も「テンポがよく守りやすいし、制球もいいから野手も打球を予測しやすいよね」と絶賛の投球内容だった。

今やチームの大黒柱も、今年2月に左太もも裏を痛めた影響で、4月までは1勝1敗、防御率5・95と苦しみ2軍降格を味わった。「序盤は体に不安もあったし、憧れの日本で成功したいと気持ちばかりが先行していた。心と体がマッチしてなかった」と振り返る。心身ともに折り合った6月20日の昇格後に破竹の10連勝。「ライオンズの歴史に名前を刻めることはとても光栄だよ」と笑った。

阪神を日本一に導いたバース氏を先輩に持つオクラホマ大の出身。どことなく顔つきも似ている右腕が、優勝請負人となる。【鈴木正章】