青森山田が弘前聖愛との同県勢決戦を制し、5年ぶり4度目の秋東北王者に輝いた。同点の7回裏1死走者なしから、1失点継投の右腕コンビが打線でも結束し、サヨナラVに導いた。

6回に中堅からマウンドに回った三浦遼大(2年)が歓喜のホームに滑り込んだ。7回1死、第1打席から4打席連続の四球で出塁。続く7番佐藤千真(かずま、2年)の一打が左翼線を破るのを見て、迷わず三塁を回った。「絶対に出塁して、何としてもホームを踏む覚悟でした」。ナインも三塁側ベンチを飛び出し、お祭り騒ぎとなった。

先発マウンドに上がったのは、サヨナラ三塁打の佐藤千だった。毎回安打を浴びながら1失点に抑え、三浦とのスイッチで中堅に回った。「ここまで野手に助けられたので、最後に貢献できて良かった」と笑顔だった。

全員が部活動の一環で青森山田中で学ぶ。前チームは個々の能力が高く、8月のジャイアンツカップでは2回戦で準優勝の東練馬シニアを6回まで3-0とリードして追い詰めた。ベンチメンバーで残ったのは2人だけだが、中條純監督(27)は「破壊力はありませんが、コツコツ粘り強く必死にやるのがいいところ」とチームワークの良さに目を細める。4強以上に与えられる来春の全国選抜切符も獲得。中條監督は「全国でどこまで勝負できるかがテーマ」と過去最高の4強以上に挑む。【中島正好】