最速153キロ左腕の横浜・及川(およかわ)雅貴投手(3年)が、阪神から3位指名を受けた。

別室で指名を確認した及川は、会見場に入ると、待ち受ける報道陣を前に静かに、だが力強く意気込みを語った。「率直にほっとして、うれしい気持ちです。ようやくスタートラインに立てたのかなという気持ちです」。阪神の印象について「指導者も含め、選手の雰囲気もいい。早くなじんでいければと思います」。

伸びしろ十分な183センチ大型左腕。全国屈指の強豪で1年春からベンチ入りし、同夏に甲子園デビュー。2年冬に現在の最速となる153キロをマークした。「高校四天王」の一角として早くから注目されてきた本格派だが、最終学年は苦しんだ。センバツ出場も明豊(大分)との1回戦で計4回を投げ5失点で早々に敗退。最後の夏は、県準々決勝でノーシードの相模原に屈した。さらには「四天王」ではただ1人、U18高校日本代表からも漏れた。

今ドラフトで「四天王」の佐々木、奥川、西は1位指名。順位で後れはとったが、プロの世界ではあくまで横一線スタート。「なるべく早く1軍に合流して、チームの戦力になって、誰からも愛される選手を目指していきたいです」。喜びも悔しさも味わった大型左腕が、新たなステージで大きな飛躍を目指していく。