プロ野球ドラフト会議が17日に都内で行われ、東北福祉大(宮城)のサイド右腕・津森宥紀投手(4年=和歌山東)がソフトバンク3位で指名された。同大OBからは2年ぶり48人目のドラフト指名。過去5年で4度の日本一に輝き、今年も連覇に挑む球界の「盟主」から、投手最上位で名前を呼ばれた。また、酒田南・伊藤海斗外野手(3年)が巨人6位で、山形の高校生から8年連続の指名選手誕生となった。

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東北大学球界のNO・1右腕が「投手王国」に飛び込む。津森はこの日、午前中はグラウンドで練習し、ドラフト会議は合宿所のテレビ中継で見守った。ソフトバンクの印象を聞かれると「千賀さんとか、すごい投手が多い」と競争の厳しさを覚悟しながら、「選手層が厚いところで投げられれば、自分もレベルアップできる」と意気込んだ。

サイドから浮き上がるような最速149キロの直球が武器。高校1年時に転向し、元ヤクルト林昌勇の動画を参考にフォームを磨いた。プロ入りを強く意識して東北福祉大を選び、全日本大学選手権には1年時から4年連続で出場。3年時には最優秀投手賞を獲得して14年ぶりの日本一に導いた。母校の和歌山東からは初のプロ選手誕生となり、指名の瞬間は「みんなホッとしてくれたと思う」(津森)と、母悦子さん(49)は大泣きしたという。

会見では大塚光二監督(52)と「オレと同じ3位指名。3位は大成するぞ」と握手をかわした。ソフトバンクの東北担当は同大OBの作山和英スカウト(50)という縁もある。同監督は津森の中継ぎ適性を感じながら、「(17年2位の)高橋礼が1年目から中継ぎで使われ、2年目の今年は先発で結果を残した。津森にもそうなってほしい」と同じ変則右腕として、「出世街道」を期待した。

目標を聞かれた津森は大きく、「新人王」と掲げた。「任せられたところで、自分の持ち味を出したい」と即戦力でフル回転する。【中島正好】