1点を守りきった三菱自動車岡崎が、強豪ホンダを下し、ベスト8に進出した。

東邦出身の5年目右腕・大井友登投手(22)が「全国大会では初」という先発マウンドで、7回1安打6奪三振で無失点と好投した。

初回に中野拓夢内野手(23=東北福祉大)の適時打で幸先よく先制。「初回に点を取ってくれて気が楽になった。相手がどういう打者なのか見極めながら投げていきました」。140キロ台の直球に90キロ台のスローカーブなど精度の良い変化球を駆使し、凡打の山を築いた。5回1死から、この試合初ヒットとなる中越え二塁打を許し得点圏に走者を背負ったが「相手に良い打者は多いと思っていた。ツーベスはOKという気持ちでした」。気持ちを切り替え、後続をチェンジアップで空振り三振、投ゴロに打ち取り反撃を許さなかった。

今春のセンバツでは母校の東邦が全国V。「優勝したときネットで見て、自分も頑張らないとと思いました」と後輩から刺激をもらった。自身は中日藤嶋健人投手(21)の2学年上にあたり、高3夏の甲子園に出場し2回戦で惜敗(日本文理に2-3)。背番号1を背負ったが、当時は藤嶋が先発を担い、自身は2番手でリリーフが多かった。三菱自動車岡崎に入社後も主にリリーフを務めるが、今回“本業”ではない場面で能力の高さを見せた。「(入社5年目で)任せてもらえる場面が増えて自信になっている。(目標は)日本一しかないです」。高校時代にかなえられなかった全国Vを、社会人野球のステージで実現してみせる。