得点増でVロードの先導役になる! 阪神近本光司外野手(25)が12日、「120得点」の誓いを立てた。午前に「2019 ヤナセ・阪神タイガースMVP賞」贈呈式で来季120得点を掲げ、午後は母校で「関西学院大学学長賞」の授与式に出席してその目標設定が勝利に直結すると確信。球団では過去3人しかいないが、05年金本は120得点でリーグ優勝に貢献した。15年ぶりの悲願とリンクする数字だ。

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近本の120得点は、優勝への道しるべとなる。午前に大阪市内のヤナセ大阪支店で表彰式に出席。シーズンを通して最も活躍した選手として同社からメルセデス・ベンツを贈られ、気持ちを新たにした。

「今シーズンは81得点だった。上位のチームを見た時に100、110、120(得点)取っている選手もいる。そのように、このチームを引っ張っていけるように」

主に1番打者を務めた1年目は159安打でリーグ新人最多記録を更新し、ベンツにふさわしい快足を飛ばして36盗塁で盗塁王にも輝いた。ただ、81得点はチーム最多でもリーグ9位で、1位の広島鈴木(112得点)とは31点差あった。1シーズンを経験して優勝への思いは強まり、勝利に直結する得点に対する意識は自然と高まった。120得点は49年別当薫、50年藤村富美男、そして05年金本知憲と球団では3人しかおらず、金本はその年に優勝している。令和で初めてクリアすればV奪回の確率はおのずと高まっていく。

掲げた目標がより鮮明となる刺激も受けた。近本は午後から兵庫・西宮市の関学大で学長賞の授与式に出席。同窓生として輝かしい功績を残した人物をたたえる同賞の第1号となり「1年間、頑張ってきて本当によかった」と笑顔を見せた。その後は約600人の学生を前に講演会も行い、質疑応答などで交流。その時間は自らの考えを客観視できる有意義なものになった。

「自分の考えていることが引き出されて、自分の考えややりたいことがリセット、整理される。こういう場で自分の考えをもう1度、確認したりすることができる」

チームにおける自らの役割を再確認し「出塁して(本塁に)かえってくることが一番の仕事。それをもっと分かりやすく言うと『(チームを)引っ張っていく』ということになると思う」。背番号5の出塁、得点は勝利のカギとなり、優勝という最終目的地へチームを導いていく。【奥田隼人】