同じ痛みを知るアスリートの姿が刺激になる。千葉・鎌ケ谷で自主トレ中の日本ハム谷口雄也外野手(27)が23日、J1北海道コンサドーレ札幌MF深井との縁を明かした。

右膝前十字靱帯(じんたい)の手術を受けた17年、同時期に同じ病院で深井も左膝を手術し“入院仲間”だった。今年10月26日のルヴァン杯決勝で劇的ロスタイム弾を決めた深井の活躍は、10年目の来季に向けたトレーニングの原動力になっている。

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ピッチで躍動する“仲間”の姿に、目を奪われていた。谷口は自身を鼓舞するように言った。「頑張りは見ていた。映像を見るとテーピングを巻いたまま(試合に)出ていたり。同じケガをした人間が、復帰してやっているのは刺激になる」。思い返しているのは10月26日ルヴァン杯決勝。自分と同じく、大ケガから復帰したJ1札幌のMF深井が同点ゴールを決めたシーンだ。

右膝前十字靱帯(じんたい)を損傷し、手術したのは17年3月。入院先の病院で知り合ったのが、同時期に左膝手術を受けていた深井だった。両膝に5度もメスを入れていることも聞いた。意気投合し連絡先を交換。「元気ですか?」。今でもたまにメッセージを送る。「彼、今年後半けっこう頑張っていたじゃないですか」。直接試合を観戦したことはないが、映像やニュースで活躍は気にしている。

手術から2年が経った今季、谷口は30試合に出場し、打率2割2分9厘、10打点。5月12日西武戦では、ケガを負う前の16年5月19日のソフトバンク戦以来1088日ぶりとなる1発を放った。「もう10年ですね」。節目のシーズンを迎える来季こそ、完全復活を目指す。

外野は西川、大田、近藤と壁は厚い。「自分の立ち位置はわかっている。そこに割って入るというか、谷口も必要だなと思ってもらえるように」。今オフさらにレベルアップして、来年もう一度勝負する。【山崎純一】