【ホノルル8日(日本時間9日)=久保賢吾】エースはプロ野球選手のてっぺんを目指す。巨人菅野智之投手(30)が、パワースポットで知られるハワイ・オアフ島の山を登頂し、プロ野球最多タイとなる自身5度目の最優秀防御率のタイトル獲得を誓った。

この日はグラウンドを離れ、中川、宮国、鍬原、直江とともに約2時間の登山トレを敢行。チームの日本一を思い描いた。

   ◇   ◇   ◇

横なぐりの雨がパッとやみ、太陽光が差し込んだ。菅野は頂上を目指し、パッと照らされた山道を力強く進んだ。「グラウンドで野球のことを考えるのも大事ですけど、こうやって山を歩きながら、考えるのも大事。どんな年になるかなとか、良い年にしたいなとか、いろんなことを考えながら歩いた」。自らの心と会話し、時に直江とランニングしながら、山頂に到着した。

菅野 やる以上、一番を目指したいです。今、投手の記録を塗り替えるのは難しいですけど、回数なら目指せる。防御率で言えば稲尾さんが5回。今年はそこを目指したいです。

澄んだ海、青く晴れた空に囲まれながら、プロ野球記録の稲尾(西鉄)に並ぶ自身5度目となる最優秀防御率のタイトル獲得の誓いを立てた。「防御率はチームの勝利に直結するので」と説明し、明確な数字もイメージ。「1点台を目指したいですけど、現実的に1点台ってなると苦しくなっちゃうから、2点台前半は目指していければ」と力を込めた。

各選手が己の心に問い掛け、心身ともに充実した2時間だった。通常は3勤1休だが、今クールは4勤1休。この日は3勤目で、気分転換とコンディションを考慮した上で登山トレに変更した。「あまりこういう機会はなかったし、いい経験にもなったので良かったです」。パワースポットでも知られる地を訪れ、今季への思いをみなぎらせた。

▽巨人直江 学校の行事で山に登ったことはありますけど、頂上からの景色はすごかったです。自主トレを通じて、いろんなことを教えていただいています。

▽巨人鍬原(登山トレに)「すごかったです。菅野さんと自主トレをさせていただいて、日本では経験できないようなことを経験させてもらっています」

▽巨人宮国(昨季は28試合に登板。登頂しプロ10年目の節目に向けて)「勝負の年。今年ダメなら、現役を続けられなくなるなと。覚悟を持って、臨んでいきます」