日本ハム荒木大輔2軍監督(55)が11日、沖縄・国頭のキャンプ地で、ヤクルト時代の恩師、野村克也氏の死を悼んだ。

右肘の故障で手術を繰り返し、野村監督のもと92年9月24日広島戦(神宮)で1541日ぶりに1軍で復活登板。2試合の先発で2勝を挙げて、カムバック賞に輝いた。

「選手を褒めない。完投した試合で『今日は赤飯やな』と言われて、殴ってやろうかと思った」。直接、褒められたことは1度もない。でも翌朝、新聞を広げると、自分へのほめ言葉が躍っていた。

グラウンド内のことから年賀状の書き方まで、教わったことは山ほどある。「選手の前に社会人であれ」と、よく怒られた。「あの人がいなければ、今のスワローズはない。野村さんが来て、プロ野球のチームになった。褒められることなく逝っちゃったな」と話す目は、潤んでいた。