伝家の宝刀が切れ味を増した。巨人菅野智之投手(30)が16日、沖縄キャンプで2日連続でブルペン入りし“伸びるスライダー”に手応えをつかんだ。絶対の自信を持つ球種が従来より浮き上がるような感覚で打者のより手元で真横に滑る軌道を描いた。今季初登板予定となる23日のオープン戦楽天戦(那覇)でスケールアップした右腕を披露する。

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抜けた…わけではない。高く浮いた「抜けスラ」は痛打のリスクが格段に高くなる。だが菅野の一品は違った。浮き上がったような球が打者の手元でスライド軌道を描き始め、真横に滑ってミットに収まった。今キャンプ6度目のブルペン入りで初めて打者役として立った村田善ブルペンコーチから「今までにない軌道だね」と感嘆の声を掛けられ、エースも笑みを浮かべた。

新球…ではない。バージョンアップを明解に説明した。「物理的にありえないですが、伸びるような感じです」と感覚を切り出した。さらに“伸びスラ”の軌道を「曲がりも遅く、打者寄りで変化するようになった。相川コーチも言っていたが、より真横に近いスライダーになった感じがすると。自分でも途中まで『やばい、抜けたかな』と思ってもそこからピッと曲がる感じ」と言葉に変換した。

新たな変化の要因は1つ…ではない。握りは変えていない。オフから下半身より先に腕から始動する新フォームに着手。「腕の振りだったり、リリースの位置も確実に変わっている」。リリースポイントのプレートからの距離を示す「エクステンション」の数値もより前方になっているという。複数の変化が濃密に絡み、伝家の宝刀が変貌した。

前日15日の62球に続き、51球を積んだ。初実戦となる23日の楽天戦へギアを踏む。その象徴が伸びスラ。「スライダーは相変わらず武器になるのかなと。スライダーとカットが(軌道により変化がついて)メリハリがついている。村田コーチも今までにない伸びる感じがあるから甘めでも勝負できると言ってくれた。自分ではもっともっとよくなる感じはある」。菅野の球が新たな進化を遂げていることは…誰にも否定できない。【広重竜太郎】

巨人村田善ブルペンコーチ「打者が対戦してきて知る菅野のスライダーのイメージと違うので『あれ?』と感じさせることができると思う」