広島佐々岡真司監督(52)率いる新生カープが24日、巨人とのオープン戦(沖縄セルラースタジアム那覇)で勝利し、オープン戦3連勝で春季キャンプの実戦を締めくくった。指揮官が「競争」を強調する中で若手選手を積極起用し、打線は3試合で30得点をたたき出した。一方の投手陣は16失点と課題を残した。野手と投手で明暗が分かれた。

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巨人戦に勝利も、佐々岡監督の表情は晴れなかった。オープン戦3試合で合計30得点をたたき出し、この日も13安打の猛攻で9得点を奪った攻撃陣については「打者に関しては競争する気持ちを持って結果を出してくれている」と評価。しかし3試合で16失点と課題を残した投手陣に関しては「主力は別として、立ち位置が決まっていない選手はもっとしっかりしてほしいというのはあった」と厳しく指摘した。

若手野手が開幕1軍への猛アピールを続けている。遊撃での開幕スタメンを狙う小園は途中出場ながら、1発を含む3安打2打点と奮闘した。坂倉は3番捕手でスタメン出場し、2安打1打点を記録。23日阪神戦では正随と新人のドラフト2位宇草孔基外野手(22=法大)がともに2安打1打点と存在感を示した。

投手陣はアピール不足となった。この日6回から登板したアドゥワは制球難に苦しみ、3回6安打3失点と課題を残した。指揮官は「入り方がよくない。制球もキレもよくなかった」と苦言。中継ぎ陣も5回を任された矢崎が1イニングで2安打2失点、セットアッパー候補の岡田は9回に登板し、連続四球を与えるなどして、1点を失った。

春季キャンプ中に実戦9試合を消化し、野手と投手で明暗が分かれた。キャンプ打ち上げまで残り2日。3月20日の開幕戦まで既に残り1カ月を切っている。課題を残した投手陣をどう立て直していくのか、新指揮官の手腕に注目だ。【古財稜明】

▽広島九里(先発3回3安打2失点)「最後の回に四球を出してしまった。大量失点につながってしまうので、なくしていきたい」

▽広島アドゥワ(6回から登板し、3回6安打3失点)「ボール先行になったのが全てです。ブルペンでなおしていくしかない」

▽広島安部(7番DHで出場。初回2死一、二塁から右越え3ラン)「風が後押ししてくれました。チームバッティングを意識してやっています」