ソフトバンクの若鷹が躍動し、ロッテに逆転サヨナラ勝ちを決めた。1点を追う9回、流れを呼び込んだのは4年目三森大貴内野手(21)だ。練習試合でも、三森は燃えていた。「塁に出れば同点にできるチャンスはある」。相手の守備位置を見てノーサインで三塁線へセフティーバントを敢行。一塁に頭から滑り込む気迫で、内野安打を勝ち取った。このプレーが号令となり、打線がつながった。

続く周東がバスターエンドランで左前打。ドラフト5位柳町も落ち着いて四球を選び無死満塁だ。そして同1位佐藤がしぶとく、中前に同点タイムリー。最後は代打で登場した栗原が右中間を鮮やかに破って逆転サヨナラ。昨季8勝17敗と大苦戦した因縁のロッテ相手に、“幻の開幕カード”で2連勝を決めた。

この回、打席に立ったそれぞれが開幕1軍入りを争う当落線上のメンバーだ。現在は練習試合のため、1軍野手は20人前後いる。だが、開幕すれば15人ほどに絞られる。2軍調整中の内川や柳田も控えており、復帰すればより狭き門になる。三森は「少しでもチャンスだと思ってやっている。開幕はいつになるかわかりませんが、結果を出し続けないといけない。毎日アピールできるようにと思っています」と毎日が必死だ。

工藤監督も若手のアピールを喜んだ。「今日は若い人たちにとって、こうやったら点を取れるというのがわかったところがあると思う。1つ1つが大きい」。開幕日が決まらない中で、1軍ベンチをかけた「延長戦」はまだまだ続く。【山本大地】

▽ソフトバンク王球団会長 練習試合とはいえ連勝できたのはよかった。若い人たちが最後、頑張った。彼らは必死だからね。今何人(1軍野手が)いるのかな。20人くらい? そりゃあ必死だよね。バレンティンも楽しくやっているよね。彼は今年、やると思うよ。

▽ソフトバンク栗原(代打でサヨナラ打) いいところで楽な気持ちで打たせてもらったので良かったです。1日何か1つアピールできるようにと思っている。

▽ソフトバンク周東(バスターエンドランで左前打) いつでもできる準備、練習をしていた。若い選手で見せられたので、自信にできたら

▽ソフトバンク佐藤(無死満塁で同点打) 緊張感はあったけど、自分が決めれたらいいなという感じでリラックスして打席に入れました。詰まったけど外野に落ちてラッキーでした。