オトナになった中日根尾昂内野手(20)が飛躍を誓った。20歳の誕生日を迎えた19日、電話取材に回答。解禁されるアルコール類に目も向けず、医師の両親から届いたメッセージを励みに、ストイックで貪欲に成長を目指す考えを明かした。

ルーキーの昨年は、1月に右太ももを痛めたことも響き、1軍出場は終盤の2試合に終わった。「19歳で苦しいこともいっぱい経験しました。振り返りたくないぐらいです」。挽回を期す2年目。だが新型コロナウイルス感染拡大の影響で、個人練習すら厳しい制限下に置かれている。そんな状態で迎えた20歳の誕生日。岐阜で医師として勤務している両親から、お祝いとともにこんなメッセージが届いたという。「大人の、まだ経験したことのない世界に踏み入れることになるから、自覚を持って!」。

野球と医師。職業は違うが、両親から受け継いだ「自覚力」は体に根付いている。20歳で解禁される飲酒について、こう明かす。「(両親が)家で飲んでいるところは見たことがない。仕事上、いつ呼び出されても車で向かわないといけないということがあるらしくて」。子どものころから、お酒のない生活が日常だった。「興味ありそうに見えます? 今はそこ(飲酒)に向く気持ちはないです」と断言した。

2軍は4日間の活動休止期間を終える22日から、自主練習を再開する。だが、ナゴヤ球場など球団施設を使った練習で選手に割り当てられたのは、2人1組で1日1時間だけ、それも1日おきにしかできない。「ポジションを奪う立場なので、いつ開幕してもいいように。もっともっと、上にいかないといけないと思ってやっています。自分が目指すところに向かって、この(先の)10年もまた積み上げていきたい」。限られた環境で技術を磨き、目標の1軍定着に突き進む。