希望を与える復活劇にしてみせる。日本ハム上沢直之投手(26)が21日、千葉・鎌ケ谷でのグループ練習後、オンライン取材に応じ、最短で6月19日とされている開幕へ向けて強い決意を表した。この日はブルペンで打者を立たせて70球を投げ、左膝蓋(しつがい)骨骨折からの再起へ確かな手応えを口にした。さらに夏の甲子園中止を受け、母校・専大松戸の後輩たちをプロ野球に招待するプランも掲げた。

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ケガからの復活を目指す上沢が順調な回復を示した。ブルペンで打者を立たせて70球。「今は80(%)くらいには、きているかなと思う。完璧とはいかないですけど、ある程度試合で投げられるレベルには来ている」。武田投手コーチから、これまでと違うチェンジアップの握りを教わるなど、いよいよ実戦モードへと入ってきた。

最短で予定される6月19日の開幕へ照準を合わせている。「大体そこには復帰したいなと思って、ケガをした時から思ってやってきた」。ケガを負ったのはちょうど1年前の昨年6月18日DeNA戦。復活のマウンドは、しっかりイメージできるものになっている。「もうかなり近づいてきているとは思う。(試合前の)ベンチ前に出てきたくらいじゃないですか。その辺でキャッチボールしてるくらいです今は」と、独特の表現で手応えを口にした。札幌で状態を伝え聞いた栗山監督も「会えるのを楽しみにしています」と心待ちにしていた。

夏の甲子園中止が決まり、母校・専大松戸の後輩を励ますためのプランも掲げた。高校の後輩ソフトバンク高橋礼と連絡を取り合い「母校のために、何か出来ることがないか」とプロ野球への招待を計画中。「何かしら思い出を作らせてあげたい。3年生の子たちを試合に招待してあげて、グラウンドレベルで練習とかを見学させてあげられたら」。新型コロナウイルスの収束状況を見極めながら準備を進める。その前に、まずは自身の完全復活した姿で球児たちを勇気づける。