オリックス吉田正尚外野手(26)が紅白戦で2本の二塁打を放ち、好調をアピールした。いずれも内角直球をはじき返し「しっかりストレートを(狙って)強く振れました。(打席での)間合いがよくなって、良い状態に上がってきたと思います」と振り返った。

強烈だったのは第2打席だ。3回1死満塁で、新助っ人ヒギンスの147キロ直球を強振。打球は弾丸ライナーで右翼際フェンスの最上段を直撃。あと数十センチ高ければグランドスラムという会心の当たりだった。「(タイミングを)真っすぐに合わせていかないと変化球には対応できない。甘い球が来ない中で、1球で仕留められると率も上がってくると思う」。今季は自身初の打撃タイトル獲得を狙う。多くのアーチも描き、打率も残す。夢実現へ前進あるのみだ。

6月2日からは練習試合が始まる。まずは本拠地・京セラドーム大阪に、昨季日本一のソフトバンクを迎える。「(相手は)ずっと強いチーム。練習試合とはいえ、勝ちにこだわりたい」。昨季7勝16敗2分けと苦戦した王者に今季は違うイメージを植え付けたい。

シーズン開幕予定の6月19日から、当面は無観客試合が続く。スタジアムに声援はないが、ファンの応援は戦力だ。「1日でも早くお客さんの前でプレーできたら。良いパフォーマンスを見せられるようにしたい」。テレビ画面から飛び出してくるような強烈な打球で、ファンに夢を見せる。【真柴健】