恐怖の2番はお任せ弾! 中日平田良介外野手(32)が30日、2番で出場した紅白戦で会心アーチを描いた。約2カ月ぶりの実戦となった第1打席で山本をとらえ、ナゴヤドームの左翼席にドカン! 前日突発性のめまいで欠場した不安も一掃した。攻撃的2番打者の有力候補が、強竜打線を引っ張る意気込みを1発回答で示した。

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平田が会心の放物線を描いた。2番右翼で出場した紅白戦の初回、1死走者なし。開幕先発ローテーション入りを目指す3年目山本の直球をたたくと、打球は無観客のナゴヤドーム左翼席に大きな着地音を響かせた。

「いいスイングができたと思います。今日は真っすぐを打ちにいって打ち返せるようにという課題を持ってプレーしました」。2月22日の阪神とのオープン戦(北谷)以来の98日ぶりのアーチを自画自賛した。

チームは2日連続の紅白戦だったが平田は前日の初戦を欠場した。試合前練習中に突発性のめまいを発症。大事をとって病院に直行した。「全然大丈夫です。安静にして時間がたてば治った」。MRI検査も受け、異常なしの診断を受けこの日の出場にこぎ着けていたことを明かした。周囲の不安も一掃する快気祝いの1発となった。

中日は今季、打線に攻撃的2番打者を置くプランを練っている。当初は高橋が候補に挙がったが、オープン戦終盤からは平田がその打順に入った。新型コロナウイルス感染拡大で約2カ月間実戦がなくなったが、この日継続の形で再び2番を任された。6月2日からの練習試合再開に向けた最終調整の舞台で平田が結果を残した。これ以上ない1発回答だった。

「(2番への意識は)特にないですね。自分のプレースタイルを見て2番だったら2番、3番だったら3番と決めてもらっていると思う。何番だからと言って、スタイルを変えることはない」。任された打順で結果を出すだけ。不動の平田流を貫く。

6月2日のヤクルト戦(神宮)から開幕まで、12試合の練習試合が組まれている。「真っすぐを打ち返すのと変化球の対応の両方ができないと万全とは言えない。12試合、1打席でも多く立ちたい」とフル参戦を志願した。昨季は左ふくらはぎの肉離れなどで途中欠場もあり、95試合出場に終わった。「シーズンを通していい仕事ができるように準備していきたい」。強竜打線の超攻撃的2番候補が、開幕へギアを上げる。