ソフトバンク栗原陵矢捕手(23)が、6年目で初の開幕スタメンに大きく前進した。4日のオリックスとの練習試合に6番捕手で先発。京セラドーム大阪の5階席に飛び込む特大の推定125メートル弾を含む2長打をマークした。一塁や外野にも挑戦中の若鷹が、開幕メンバーに名を連ねる可能性がグ~ンと高まってきた。

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無人のスタンドに、激しくボールがはねる音が響いた。6回1死、栗原はK-鈴木の低めスライダーを豪快に強振。京セラドーム大阪の右翼ポール際、5階席まで弾き飛ばした。ベンチの首脳陣が1階、2階、3階…と着弾点を指さし確認するほど特大の125メートル弾。「しっかり振り抜くことができました。いろんなポジションで出場させてもらってる中、結果が出てくれてよかったです」。2回にも右中間に二塁打。本職の捕手としてだけでなく2長打で猛アピールした。

2日の練習試合再開後、主力の柳田やバレンティンらとともに3試合連続先発出場。2日の初戦こそ無安打だったが、前日3日は3安打。3試合で10打数5安打と打ちまくっている。急成長中の打力を生かすために、捕手に加えて左翼や右翼、一塁にも挑戦中。スター軍団をかき分け、初の開幕スタメンも現実味が出てきた。

工藤監督も高評価だ。「(本塁打は)見事でしたね。いい状態を保ってくれているので、このままいってくれれば。いい結果を残してくれている以上は、僕らも使うことをしっかり考えていきたいと思います」。左翼バレンティンや一塁内川らと指名打者をうまく組み合わせながら、出場のチャンスが見えてきた。

5月末の紅白戦再開を前に「他の人より打って守って、アピールしてガツガツ行くつもり」と気合十分だった。「1日1本というのは常に変わらず目標としてやっている。あまり率とかは意識せずに、1打席1打席、自分のバッティングをしていこうかなと思います」と毎日がむしゃらだ。周囲の評価にも「手応えという意味ではまだまだありませんし、毎日毎日アピールしていかないといけないなと思っています」と冷静沈着。さらなるアピールで6月19日、本拠地ロッテ戦のスターターにその名を並べる意気込みだ。【山本大地】