惜しい、悔しい。阪神藤浪晋太郎投手(26)の復活勝利はまたもお預けとなった。670日ぶり勝利を懸けてヤクルト戦(神宮)で今季2度目の先発。7回4失点(自責1)で毎回の10奪三振の力投をみせた。連打を許さず、四球もわずか1つ。味方の失策もあって2敗目を喫したが、矢野監督は「勝てる投球」と次回に期待した。8カードぶりに負け越した阪神は再び勝率5割となり、4位に後退した。

   ◇   ◇   ◇

阪神打線が復活勝利を目指す藤浪を援護できなかった。今季4度目の完封負け。カード初戦は20得点で大勝したが、前日29日の初回に1点を挙げた後、17イニング連続無得点で連敗。8カードぶりに負け越した。

高橋の前に苦しんだ。8回は満塁まで攻めたが結局ホームを踏めず、3安打に抑え込まれた。高橋には16日の対戦でも5回2/3で4安打と苦戦していた。この日は体調が万全ではない糸井をベンチスタートとし、1番陽川、2番近本の打線を組んだが、得点には結びつかなかった。井上打撃コーチは「晋太郎に借りをつくった。阪神タイガースの宝って言ったらおかしいけど、それぐらいのピッチャーにああいう頑張っている姿を見せられて。野手みんながこの前の借りを返してやろうぜって、次の登板のときになってほしい」。次回こそ藤浪に白星をつけるよう打線に奮起を促した。

3安打は今季ワースト。打線が0点では勝てないが、終盤には守備のミスもあった。1点ビハインドでの7回。先頭宮本の打球をショート北條が失策。その後1点を奪われ、なお2死一、三塁から北條がセンター近本と交錯し、飛球を落とす失策で追加点をさらに許した。矢野監督は「(高橋も)調子が良かったと思うけど、その中でも何とかしたかった。簡単に点が取れる感じではなかったからこそ、守備のミスも痛かった」と、流れを失ったイニングを振り返った。

貯金を吐き出し、4位に後退。ただ、31日は甲子園に戻ってのDeNA戦。指揮官は「明日からまた。チームも(勝率)5割になって、また新たなスタート。打線もチーム全体としても」と前を向いた。9勝3敗1分けの本拠地で再出発する。【松井周治】

▼藤浪は7回を投げ10奪三振、1与四球。2桁奪三振は、18年4月20日巨人戦での10奪三振以来、通算20度目。また、7イニング以上を投げて1四球以下は、17年4月13日DeNA戦での8回1四球以来3年ぶり16度目。今回のように10奪三振以上&1四球以下は、16年8月24日DeNA戦10奪三振1与四球以来、4年ぶり5度目。