ソフトバンクが、柳田悠岐外野手(31)の月間最多32得点のプロ野球タイ記録マークで勝利を収めた。0-3で迎えた3回、柳田の四球を挟んでの5連打で一気に4得点。柳田が一時は逆転となるホームを踏み記録を作った。7月は柳田の記録的得点もあり、ソフトバンク球団としても月間最多タイとなる18勝(9敗)を挙げた。「打線のつながり」が、西武ニールに黒星をつけ、首位をガッチリ守った。

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柳田はゆうゆうとホームを踏んだ。3回、3-3に追いつき迎えた1死一、三塁で、栗原の左前適時打で三塁から生還した。7月だけで32度目のホームイン。一時は勝ち越しとなる32得点目は、プロ野球タイ記録となった。

柳田 自分1人の力じゃ無理な記録なので、チームメートに感謝しています。チームも勝てましたし、得点が多ければチームの勝利に貢献できる。

3回に2発で3点を奪われた直後だった。9番甲斐からの3連打で1点差として、なおも1死二塁で打席に入った柳田はじっくり球を見極めた。相手が警戒する上に、ボール球も振らない勝利へ貢献する気持ちがバットを止めさせた。その後、中村晃、栗原と連打。柳田の「我慢」の四球を挟んでの5連打で西武先発ニールを攻略した。工藤監督も「打線のつながり」の末での勝利に「西武は2本塁打で3点も、うちはつながりで4点ですから。柳田くんもしっかり出塁してくれるし、打線ではそれぞれが役割を果たしてくれている」と笑みを浮かべた。

27試合をこなした7月、柳田はとにかく塁に出た。90打数39安打で打率4割3分3厘。この日の2四球で今月25個目の四球となり1死球と合わせた出塁率は、5割5分6厘。7月で出塁しなかった試合は9日楽天戦(ペイペイドーム)での4打数無安打だけで、26試合はすべて出塁した。驚異的な数字でチームに貢献して、ソフトバンク球団としても月間最多となる18勝目をもたらした。

この日の試合前、王球団会長と城島球団会長付特別アドバイザーが練習を視察した。この2人は現役時代、月間31得点が最多だったが、柳田は伝説の2人をも超えて見せた。

柳田が「月も替わってまた明日(8月1日)から頑張ります」と言えば、工藤監督も「8月はケガ人も帰ってくるし、キューバの2人も合流してくる。それまでしっかり落ち着いて試合ができるようにしたい」と言葉に力を込めた。楽天が敗れゲーム差を1・5に広げた。頼れるギータを先頭に、8月も快進撃を続ける。【浦田由紀夫】