先代ノーノー左腕も負けじと快投を演じた。中日大野雄大投手(31)が巨人打線を10奪三振1失点に抑え、球団初となる3戦連続完投勝利&2ケタ奪三振を達成した。自身に続き、史上82人目のノーヒットノーランを達成したヤクルト小川に刺激を受け、チームを今季初の3カード連続勝ち越しに導いた。

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最後の打者を三ゴロに打ち取ると、大野雄はバンザイをして表情を緩めた。「味方が4点も取ってくれた。この点差で、最後まで投げ抜きたいと思った。投げ抜けて良かった」。初回に巨人坂本から149キロ直球で三振を奪い、勢いに乗った。10三振のうち、7個を武器と公言するストレートで奪った。この日は最速151キロを計測。「真っすぐが良かった。甘めでもファウルが取れた。逆球もあったけど強い球が投げられたので完投につながった」。これぞエースの投球で、球団史上初の3戦連続2ケタ奪三振&完投勝利を成し遂げた。

前日15日のヤクルト小川のノーヒットノーランにも刺激を受けた。昨年9月に自ら達成したノーノー以来となる快挙を宿舎の自室でテレビ観戦。味方の失策から8回無死一、二塁のピンチを切り抜けた姿にうなった。「野手が『やってもうた』という場面をしのいだ。同じ投手としてすごいなと思った。そういう場面があったらと思っていたが、そういう場面はなかったですね」。味方の守備にも支えられ、許した得点は丸のソロ本塁打だけ。巨人打線を2安打1失点に抑えた。

9回表2死一、二塁。打席に向かう大野雄に敵地・東京ドームで自然と拍手が起こった。「得点圏だったし、1点でも多く欲しかった」。ビエイラの159キロの直球に食らいつき、カットする場面もあった。遊ゴロに終わったが、投打とも全力を尽くし、9回を駆け抜けた。

これでチームは今季初の3カード連続勝ち越し。与田監督は「スピードも制球も本当に安定していた。何も言うことがない」と絶賛した。巨人戦は8月に9試合組まれており、左腕の2戦連続完投勝利を含め4勝1敗1分け。下位からの逆襲へ、大野雄がチームを引っ張る。【伊東大介】