神宮で復活の花火を2発打ち上げた。阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が、来日初の1試合2本塁打と大当たり。試合前まで14打席無安打&20試合ノーアーチと不振が続き、来日初の7番に降格した助っ人が汚名を返上した。

まずは3回の第2打席だ。2点リードの2回2死一塁。ヤクルト吉田喜の高め129キロカットボールをかち上げた。「ホームランを久しぶりに打てて良かったね」。7月28日のヤクルト戦で満塁弾を放って以来、実に83打席ぶりのアーチ。約1カ月ぶりの快音に興奮を抑えられず、普段は自軍ベンチ前で行う「ファイアボールポーズ」をダイヤモンド1周中に発動した。

B砲の勢いは止まらない。7回に藤浪がソロを浴び、再び2点差に迫られた8回の第4打席。1死走者なしで、3番手大下の外角低めフォークをすくい上げた。「コンパクトに後ろにつなぐバッティングをしたのが結果的にホームランになったよ」。高々とバットを突き上げ、ゆっくりと歩き出した。追いすがるヤクルトを振り払う1発。2発3打点で藤浪の復活劇に貢献した。

今月19日は最愛の息子、ジミー君の1歳の誕生日だった。ボーアは自身のインスタグラムに、ジミー君にキスをしている写真を投稿していたが、その日の巨人戦では4打数無安打。20日も3三振を含む無安打だった。テレビで応援する息子にかっこ悪い姿ばかりは見せられない。「ちょっと遅れてしまったけど、打ててよかったね」。豪快なアーチ2本は、ジミー君に送る2日遅れの誕生日プレゼントでもあった。

神宮は打率3割1分8厘、3本塁打8打点と打ちまくっている。「今日は通訳の栗山君がおいしい担々麺をお昼に食べさせてくれたので、調子の良さにつながっていると思うよ」と試合後も上機嫌。相性抜群の地から、B砲も復活する。【只松憲】

▼阪神が2回に4点を取り、16日広島戦の2回から続いていた連続イニング無得点を37イニングで止めた。37イニング無得点は11年5月17~22日と並ぶ球団ワースト6位。11年は5月22日の西武戦の6回2死一、三塁から、一塁走者がディレードスチールを仕掛け、一、二塁間にはさまれる間に三塁走者がホームインして不名誉な記録を止めている。球団の連続イニング無得点は79年の43イニングが最長。