AJ覚醒!! オリックスのアダム・ジョーンズ外野手(35)が来日初の2戦連発&2打席連続アーチを放ち、中嶋監督代行の新体制の連勝発進を演出した。2点差に迫られた6回2死。内海のスライダーを強振し、左中間に運ぶ。この日、2発目の8号ソロで西武を引き離した。

「カウント不利にならないように、積極的に振っていこうと」

新たな「儀式」で盛り上げる。最下位で西村監督が辞任。中嶋監督代行の初陣だった前日21日から、アーチ直後、ベンチ前でソフトバンク松田宣も顔負けのパフォーマンスを披露する。この日も2度、片腕を突き上げて「サイコーッ!」と叫んだ。「サイコウは日本の昔からある言葉。こういうポーズもあるので、チームの喜びとしてやっているだけ」と声をはずませた。

開幕から調子が出なかった。メジャー通算282本塁打の実力者も日本の配球に苦戦。「考えすぎかもしれない。違うスタイルのゲーム。攻め方が違う。特にフォークが。シンプルに打席に入る方がいい」。試合前練習は屋外で打たず、室内で打撃マシンと向き合うことが多い。「自分の中で何がダメだったか毎日練習している」。室内なら遠くに飛ばす力みが働かない。自らの形だけに向き合い、集中するために工夫を凝らす。

前夜は同点弾&決勝打。この日も4回に先制3ランなど2発で来日最多の1試合4打点を記録した。中嶋監督代行も「普通にやればあのくらいの選手。普通です」と冷静だ。7月21日から4連勝して以来、1カ月ぶりの連勝。大砲が目覚め、泥沼のチームに光が差し込んだ。【酒井俊作】