阪神近本光司外野手(25)が、汚名返上の好返球を見せた。

6回、7点リードから1点差に迫られてなお2死二、三塁のピンチ。岩貞が大和に中前打を浴び、三塁走者の中井が同点のホームを踏んだ。さらに二塁走者の神里も三塁ベースを蹴ったが、近本がワンバウンドで本塁へストライク送球。「しっかり自分のできることをやろうと思って、それができたという結果。しっかり落ち着いてプレーできたことが良かったと思います」。DeNAベンチからリクエストによるリプレー検証を求められたが、判定は覆らず。1イニングで大量7点を失ったが、勝ち越しの8点目は許さなかった。

前日7日の巨人戦、両軍無得点の3回1死満塁で、近本は浅い中飛を捕球したが、本塁へ悪送球。首位との大事な一戦で痛恨の決勝点を与えた。4回にも1死二、三塁で浅い中飛を本塁送球したが、力のない返球で2点目を献上。7日の試合後に矢野監督は「近本で負けたかなと思ってます。近本自身が成長して、残りの試合でどうやってチームを勝たせていくか、そういうことが求められる」とゲキを飛ばしていた。

打っては1回先頭で中前打を放ち、4試合ぶりの安打。9回には四球で出塁し、リーグトップを独走する17盗塁目を決めた。指揮官は「昨日の今日で、いきなりというところでは、チームの中心というか、頑張ってもらわないといけない選手なので。初回も1本出て。いいプレーやったと思う」と評価した。虎のリードオフマンが、走攻守でチームを引っ張っていく。【只松憲】