開幕から存在感を示し続ける「つなぎの4番」DeNA佐野恵太内野手(25)が3安打を放ち、打率3割5分1厘で首位打者を独走中だ。6回の11号3ランも7点差を追いつく原動力となった。

昨季は打率2割9分5厘、5本塁打、33打点だったが、ラミレス監督は筒香のメジャー移籍を見据え、後半から佐野を4番で多く起用した。得点圏打率は3割6分7厘。「チャンスに強いバッターは4番に向いている」と考え、早くから今季の4番候補にした。

選手には常々「甘い球が来たら初球から」と口にするが実践するのは難しい。「打席に入る前の準備。ある程度、狙い球を絞り、プランを持つことが重要」という。3ランは今季3本目の「初球弾」。佐野は「初球からしっかり自分のスイングができました」と振り返り、指揮官も「技術的には去年からいいものを持っていたし、メンタル的にも成長してかみ合っている。昨年は左投手を苦にしていたが、見事に克服した。だからこそ3割5分以上打てている」とも指摘する。

昨季は右投手に3割4厘、左投手に2割6分7厘だったが、今季は右に3割3分9厘、左は3割7分5厘と、1割以上も打率を上げている。

今季キャンプ前の指揮官の見立ては「打率2割9分、20本塁打、80打点は打てる能力がある」。予想を大きく上回る成績でチームをけん引する。【鈴木正章】

▽DeNAラミレス監督(7点差を追いつき引き分けに)「この引き分けは非常に大きいね。あのイニングは全てがかみ合って追いつけた。リリーフ陣もいい仕事をした」