プロ初先発した阪神斎藤友貴哉投手(25)が、投げて打って走って、奮闘した。3回3安打2失点での降板に「無駄な四球を出してしまった点や、投球リズムが悪くなったことが反省ですし、早い回でマウンドを降りてしまいチームの皆さんに申し訳ない気持ちです」と反省しきりだったが、立ち向かう姿がチームを勇気づけた。

懸命に投げた。初回2死一塁、迎えたのは前夜に3安打を放った4番佐野。初球に144キロ直球を投じた後、3球連続で内角へ投げ込んだ。最後は低めの直球で二ゴロ。持ち味の力強い直球を武器に、思い切り腕を振った。

必死に走った。3回先頭でプロ初打席に立つと、高めの速球をたたきつけて激走。投手への内野安打を奪い、プロ初安打を記録した。続く近本の二塁打で三塁まで再び激走すると、糸原の内野安打で生還。先制のホームを踏んだのは斎藤だった。

直後の3回1死満塁から同点に追いつかれ、4回に代打を送られ降板。プロ初勝利はお預けとなったが「力が入ってしまいましたし、悔しい結果になりましたが、この経験をしっかり次に生かすことができるようにしていきます」と今後の糧にする。矢野監督も斎藤の粘投に「それはでかいよ。だから、まるっきりダメとかそういうわけではない」と口にした。プロ2年目右腕の力投は、連敗の重い空気を振り払った。【磯綾乃】

阪神福原投手コーチ(初先発の斎藤について)「当然緊張はあったと思う。反省しなければいけない部分は多かったけど、強いボールはいっていた。調子の良いDeNA打線に対して差し込めていたので、この経験を糧にもっともっと上を目指して取り組んでいってもらえたらと思います」