阪神の矢野燿大監督(51)が執念継投で勝利をたぐり寄せた。サンズの2ランで1点を勝ち越した7回。マウンドへ送り込んだのは岩貞だった。

その岩貞が、この試合初めてDeNA打線を3者凡退に抑えると2イニング目も続投。8回2死から倉本に遊撃への内野安打を許した場面で「ここまでいったら、つぎ込むしかないんでね」と守護神スアレスにスイッチした。スアレスは続くソトを遊ゴロに仕留めると、9回を3者凡退。勝ちパターン2人で3イニングをゼロに封じて、逃げ切った。

今季途中に先発から中継ぎに配置転換された岩貞は、9試合連続無失点と抜群の安定感を発揮している。矢野監督も試合のポイントの1つとして「岩貞が粘ってくれたっていうこと」と名前を挙げて称賛。回またぎについては「同じ投手の登板疲労があるから、球数も少なかったし。疲れてるの分かってるけど、いってもらおうかなと」とタクトを振り返り、「最近本当に流れを止めてくれてる。今日もイニングまたぎってすごくしんどいところ」とうなずいた。

守護神スアレスは1回1/3を完全投球でリーグトップ独走の14セーブ目。こちらは、登板3試合連続でイニングまたぎを成功させ「難しい試合展開であればあるほど、自分の投球に集中するだけ。リードを守って勝ててよかった」と喜んだ。乱打戦の最後を指揮官の大胆な継投がグッと引き締めた。【桝井聡】