阪神の新1、2番「チカウメ」コンビが、連日のチャンスメークだ。

1回、先頭の近本が左前打。2日連続で2番先発出場となった梅野は投犠打を決め、得点圏に走者を置いてクリーンアップに回すと、2死後に大山が先制3ラン。矢野監督は1、2番について「梅野はバントがうまいし、ほかの作戦もできる選手。チカ(近本)が出ると相手にとって嫌な状況になる。まずはチカが出てというのがウチの野球」。初回から2人は理想の形を生み出し、連日の先制劇に貢献した。

近本は5、7回にも先頭で安打を放ち、3安打。追加点とはいかなかったが、その場面でも梅野は全て送りバント成功。梅野の1試合3犠打はプロ入り最多で「チカが出塁してくれているからこその結果だと思います。その中で、ネクストから、想定される自分の役割を考えながら打席に立てている」。しかも、バントはいずれも1球で決め、矢野監督も「そこが本当に素晴らしい。一発で決めて流れがこっちに来た状態で攻められる」とたたえる内容だ。前日は2番で本塁打もマークするなど2安打。大技OK、小技もOKの脅威の2番だ。

近本は5試合連続安打で、9月初&今季7度目の猛打賞。夏場から、打撃練習の最初にスローボールを打っており「スローボールでも速いボールでも同じ打ち方をするのが僕はいいバッターだと(思っている)。どのボールであっても自分のフォームで打てるというのが狙い」。練習でも意図をもってバットを振り続ける切り込み役は、直近5試合で3度目のマルチ安打と状態を上げてきた。

「チカウメ」の1、2番コンビは、前日から同じイニングに2人が打席を迎えたとき、どちらかが必ず出塁している。規定打席に到達している中で、出塁率は梅野がチーム2位の3割7分1厘、近本が同3位で3割4分を誇る(チームトップはサンズの3割9分7厘、3番糸原は規定打席未満ながら3割4分7厘)。多くのチャンスをつくりあげ、ポイントゲッターにつなげていく。【松井周治】