広島が2日連続の拙攻で阪神に連敗し、借金は今季ワーストタイの「9」に膨らんだ。前夜、6連敗を食らった天敵西勇に続き、この日も秋山を攻略できずに3連敗目。4番の鈴木誠也外野手(26)は2試合連続無安打と沈黙し、ついに打率も2割台となった。チームも主砲も、苦しい戦いが続く。

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またしても、天敵の手のひらで踊らされた。阪神秋山を相手に凡打を重ね、7回までスコアボードに「0」が刻まれた。8回、菊池涼の中前適時打でチームとして18イニングぶりの「1」を記すのが精いっぱい。西勇に完封で6連敗を喫し、今度は秋山に3連敗。連日の貧打、拙攻に、佐々岡監督は頭を抱えるしかなかった。

佐々岡監督 昨日といい、今日といい、術中にはまっているというか…。打てないと勝てないという中で、いろいろ策を練ってはいるんだけど、なかなかつながらない。

主砲・鈴木誠が苦しんでいる。3打数無安打に倒れた前日に続き、この日も4打数無安打と沈黙した。2試合連続、9打席連続で快音なし。試合前練習で打撃ケージの真後ろから見守った佐々岡監督は「打撃練習からいろいろ考えてやっているのは見えるんだけど、それがなかなか試合で結果につながってこないという感じかな」と心配した。

今季は好スタートを切っていた。6月は9試合で打率3割4分3厘、5本塁打、9打点と圧倒。7月も25試合で打率3割4分、4本塁打、18打点と奮闘していた。だが8月は打率2割6分7厘、5本塁打、13打点とやや失速。9月は11試合で打率2割1分4厘、2本塁打、2打点と落ち込み、この日でついに今季の通算打率が2割台に突入した。指揮官は「(焦りが)あるんじゃないかな。4番としての責任を感じているだろうし、責任感が人一倍強い選手だから」と気持ちを代弁した。

チームは連敗で、借金は今季ワーストタイの「9」となった。下位に低迷するチーム状況に比例するように、主砲のバットも息をひそめる。4番が打てば、チームに活気が戻る。爆発を期待するしかない。【古財稜明】