西武松本航投手(23)が、スミ1勝利でチームを窮地から救った。

外崎の先頭打者弾で幕を開けたゲーム。5回まで毎回被安打も、低めの直球がさえ渡った。7回2死満塁のピンチでは中村晃を146キロの直球で二ゴロに仕留め「低めに強い球、しっかり腕を振って投げられていた」。7回を7安打無失点。負ければ自力V消滅という崖っぷちで、自身2連勝となる3勝目を挙げた。

プロ2年目。変化を恐れなかった。安定感を欠いた今季序盤を反省。ワインドアップから、走者なしでもセットポジションに変更した。「変えたことでリズム良く投げられている。力のロスをなくすというか、体を上手に動かせるようにシンプルに考えて投げているのが、いい方向にいっている」。フォームに力感がなくとも、球に指がかかったしっかりとした回転を生み出せている。かかりが良すぎて、8月23日オリックス戦では、人さし指にマメができたほどだった。

悩みに悩んだ1年目。「こんなにも壁にぶつかったことはない」と振り返る。ワインドアップでグラブを上げた際、握りが見えていると指摘を受けたこともあった。成長を見せたい2年目シーズンの途中に、大胆に変えた投球フォームによって、7月まで6・53だった防御率は、8月以降の6試合で1・51と、劇的に改善した。

チームは崖っぷちから4位タイに浮上。「いい意味で相手を見ずに、しっかり自分の投球をするだけ」と、さらに2年目の進化を示していく。【栗田成芳】

 

西武辻監督(自力V消滅の危機を救った松本に)「力まず、フォームに力み感じないこつをつかんだ。147、8キロで150キロに感じるくらいの球質になってきた。まだまだ自力は関係ない。大事な試合だったところで松本が素晴らしい投球をして、いい形で明後日から頑張れる」