虎狩りで、優勝マジック38を点灯させる。開幕10連勝中の巨人菅野智之投手(30)が15日の阪神戦(東京ドーム)に先発。勝利を収めれば、残り48試合でのマジック点灯で、原政権下では過去最速となる。自身としても38年春のスタルヒンに並ぶ開幕投手からの11連勝の球団記録がかかる。負けないエースで2年連続のリーグ優勝へ向け、カウントダウンに入る。

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乾いたミットの音が試合前の東京ドームに響いた。菅野は13日、通常ブルペンで行う登板2日前の投球練習を東京ドームのマウンドで行っていた。傾斜の確認をした後、ブルペンに向かう予定だったが、右打席にノックバットを持った原監督が入るとエンジンがかかった。今季5勝0敗、防御率0・96と好相性を誇る本拠地のマウンドでそのまま調整。14日はジャイアンツ球場で最終調整した。

現在2位の阪神とは9・5ゲーム差の首位を走る。15日に勝利すれば阪神の自力優勝の可能性が消滅し、マジック38が点灯する。相手先発は高橋で、今季巨人戦は1勝2敗も、防御率0・90の成績を残す強敵だ。菅野は「阪神は相当の覚悟をもって戦いに挑んでくると思います。そこに負けないための準備と気持ちを整理してマウンドに上がります」と力を込めた。

過去、原政権下での8度のリーグ優勝のうち、最速でマジックが出たのが13年の残り46試合。15日に点灯すれば残り48試合で、最速を更新する。また自身としても38年春にスタルヒンが記録した球団記録に並ぶ、開幕投手からの11連勝がかかる一戦だ。「絶対に勝てるように、チームの勝ちにつながるピッチングをしたい」。現在チームは引き分けを挟み7連勝中で、9月は10勝1敗1分けと勢いが止まらない。2年連続のリーグ優勝に向け、さらに歩みを加速させるためにも-。自らの登板では初となるマジック点灯を狙う。【久永壮真】