矢野阪神が15日から首位巨人と東京ドームで3連戦に臨む。今季未勝利の敵地で、3試合のうち1つ負けた時点で自力Vの可能性が消滅する正念場。15日巨人先発は開幕から無傷の10連勝を飾っている菅野智之投手(30)で、阪神は2番に梅野隆太郎捕手(29)を据えるオーダーを継続して挑む。投手陣は第3戦に中5日でエース西勇輝投手(29)を投入する見込み。背水の必勝2大プランで、虎がG3連倒を狙う。

無敗右腕に無敗打線でぶつかる。開幕から10連勝中の菅野との対決が、背水3連戦の初戦となる。今季3試合で3敗を喫している強敵との一戦に敗れれば、宿敵に優勝マジックが点灯する。やり返したいとの質問に、矢野監督は「それしかないし、あれだけね、個人もやられているし。なんとか菅野に負けをつけるのは、ある意味いいモチベーションとして戦っていけたら」と、リベンジを誓った。

好調な打線で4度目こそ土をつける。13日までの広島3連戦では2番に捕手の梅野を組み込んだオーダーで同一カード3連勝。新打線は負けなしで白星を積み上げ、現在チームは4連勝中。指揮官は「(2番梅野の打線を)変えるつもりはない」ときっぱり。新布陣継続で打倒菅野、今季6戦全敗の東京ドームでの白星をたぐり寄せるつもりだ。

梅野が上位打線に入ったことで、クリーンアップ後の得点源の1人、6番ボーアへの期待も大きくなるが、前日13日に3安打2打点と復調気配。ボーアは東京ドームで22打数無安打、対菅野は9打数1安打(打率1割1分1厘)。「(東京ドームで)打てていないので何か変えてやっていこうと思っています」と、敵地での爆発を期している。

初戦だけでなく、1つ負けた時点で自力優勝の可能性が消滅する3連戦。「第1戦をどうやってとるか、全員で戦っていくしかない」と矢野監督。まずは菅野攻略へ全力を注ぐ。

投手陣もG3連倒へ、手が打たれた。15日の初戦は中7日で高橋を先発に立てる。16日は、8月20日巨人戦で6回1失点と力投した青柳が中6日で先発する見込み。さらに、第3戦の17日はエース西勇を中5日で送り込むとみられる。西勇は今季G戦2試合に先発して1勝0敗。前回登板の11日広島戦は完封勝利を挙げている。

3試合とも打線の奮起だけでなく、投手陣の奮闘も不可欠。矢野監督は言う。「チームとして、これがいいだろうという選手を送り出している。あとは信じて頑張ってくれれば。あまり、抑えなきゃダメとか、先取点を取られたらダメだと(ばかり)思って投球してほしくない。堂々と向かって、攻めていく気持ちで投げてもらうことが一番」。結果を恐れず、強力な巨人打線に立ち向かい、ポテンシャルを発揮することを願った。

この日、西勇は高橋や青柳らと甲子園での投手練習で調整。福原投手コーチはエース右腕の次戦について「西らしい投球をしてほしいし、いいリズムで投げてくれたらいいなと思います」。先発を託された投手陣が、勝利のバトンをつないでの3連勝に期待したい。【松井周治】