オリックスのラオウこと杉本裕太郎外野手が「俺を忘れるな弾」で、チームを連勝に導いた。5回、先頭で左翼ポール際へ特大の飛球を打ち上げた。飛距離は十分ながら、フェアゾーンに入った確信を持てず。本塁打判定に喜ぶも、楽天のリクエストによるリプレー検証にドキドキ。「これで(判定)覆ったら、俺、まじ、持ってない」とベンチで青ざめた。判定変わらずで胸をなで下ろすハラハラの今季1号弾になったが、田嶋のプロ初完封を支える値千金の1発になった。

徳島県生まれの杉本が、お立ち台では開口一番「やったばい!」と叫んだ。“弟分”に負けてはいられなかった。15日は大下がプロ初打席で決勝3ラン。この日は杉本が決勝弾。「大下のマネしました」と、にわか北九州言葉の意味を明かした。

6歳の年齢差を超えた仲良しの2人。バットを互いに貸し借りし、ティー打撃を撮影し合って一緒に問題点を探し出す。「あいつの努力をぼくはずっと見てきたんで、昨日(15日)めっちゃうれしかったし、自分も打ってやろうと思ってたんでよかったです」。時間を惜しんで練習する弟分の活躍に背中を押され、ラオウも覚醒。「毎日いっぱい打てるようにしたい」。この日の1発だけでは終わらない。【堀まどか】